槍ヶ岳(3180M)の記録(自分のために)

日本百名山は31座クリアして

昨年、剣岳(2999M)登頂できたのも自信になったし

1歳でも若いうちに難易度の高い山をクリアしておかないと、と焦る

今年は絶対、槍穂高縦走だと決めていた

・・・が、しかし

仕事があるので

レギュラー案件が落ち着くタイミングは1週間しかなく

そこで雨天にでもなったら登山は中止になる

事実、6月の登山は泣く泣く中止した・・・

北海道は、霧&雨の中、登った

今回もギリギリまで天気予報を見ていたが

3日目(=奥穂高)が厳しい

予定を変更して、目指せ!槍ヶ岳!

さあ、行くよ!

・・・と、最高のバディの息子に言ったら

「大阪まで送って!」

はああああああああああ

さっきまで行くって言ってたじゃん怒

・・・大学1年、人生で一番楽しい夏休みは

ままと登山なんかやっとれんらしいわ・・・

息子の予定はフリーダムかもしれないが

私は夢拾いや茶道の研究会や仕事や・・・が待っているので1日も無駄にできん!

大阪で息子をほおり投げ、

予定通り、上高地からバスに乗った

同じような登山客がいっぱい!

・・・が、大阪から上高地まで運転し、

ほとんど寝ていなかったのはいけなかった

(前日も仕事しごとで寝ていなかった)

上高地から、平たんな道を13キロ

そのあと5キロの急な坂道を登り

頂上の手前の殺生ヒュッテを目指す予定だった

5キロの坂道が心配だったが、

今まで5キロ以上でもクリアしてきたから大丈夫

・・・が、

「平たんな道」13キロは

楽勝なようで、私の体力を奪い

途中の槍沢ロッヂで休憩したとき「ヤバい」と思った

いまこの時点でこーんなに疲弊しているのに

殺生ヒュッテまであと5キロ

普通に歩いて4時間といわれるところを

この疲れた足で6時間以内に行けるだろうか?

18時には山小屋に到着しないと遭難してしまう・・・

5時出発のバスが

9月から1時間遅く出発しており

イメージしていた出発時間が1時間遅くなったこともあり

すでに槍沢ロッヂでは12時を過ぎていた

どうしよう

どうしよう

頭の中では「山小屋のキャンセル料100%」もチラつく

・・・が、私は判断は早いので

すぐに殺生ヒュッテ行きを断念した

もうこのままここで休んで、

明日早朝に、アタックしよう!

槍沢ロッヂの空きを確認すると、部屋はあるという

しかも! 殺生とグループ会社らしくキャンセル料は不要とな

わたし、もっとるーーーー!!!

山小屋ですぐに昼寝っ

夕食もがっつり食べて、風呂に入ってすぐに就寝

体力回復に努めるっ

明日、この遅れを取り戻すのだ

翌朝は4時に出ると決める

隣のグループは

70代くらいのおばさまたち

「私たちも明日、できるだけ早く出て槍にいくわ」「あなたは若いから大丈夫よ」「頑張りましょう」

ヤマップと地図でしっかり行程を確認!

頭につけたヘッドライトだけが頼り

真っ暗な夜道を、一人、歩く

この私が!!!!!

真っ暗な山の中を!!!

たった一人で!!!!

ベッドライトが虫を照らして「ひいいっ」

ガサガサと音がしたら羅臼岳の熊を思い出し「ひいっ」

でも、どうしても登るのだ!

どうしても、どうしても!

もう、なんでかわからなくなっていたけれど

十分に寝たので元気だけはあって

ヤマップの数値からしてもいいペースでがんがん登っていく

すぐに日が昇って明るくなる

太陽の赤い光が山を照らして

一瞬だけ山が赤い

・・・が、しかし

槍ヶ岳は甘くない

途中で姿を見せて「あれかーーー!」と思ってからが長い

登った人はご存じですよね

ひたすら登り・登り・登り・・・

あと少しと思ってからの2時間、人生で一番つらかった

「女性のソロがいて、うれしいです!」

「あと少しよ、がんばれがんばれ」

「今日は最高にいい天気よ」

下山する人たちが声をかけてくれる

がんばります・・・

声が出ないから心の中で言う

しかも!!!

殺生ではなくヒュッテ大槍のほうを登ったため

(完全に間違えた)

これがまたすごい登り!!!

殺生方向は逆にだらだらした登り道

結果として間違えてよかったわけだが・・・

このへんになると高山病のサインが出る

吐き気がする・・・

幻覚が見える・・・

しんどい、つらい、きつい、息が上がる・・・

「私は高山病じゃない」と気持ちを奮い立たせる

こういうのは気持ちからくるんだからっ

押し寄せる吐き気をごまかす

たぶん、吐いたら終わり

二度と立ち上がれないだろう

今度は再び時間との戦いになる

アタックできたとして

下山まで5時間かかるだろうか?

バスの時間を逆算して、12時までに登頂せねば

途中で遭難してしまう

吐き気がする

時間がない

吐き気がする・・・

再び、槍の先が見えてくる

槍が視覚に訴える

「ここまで来て、登らないの?」と言っている

絶対登るのだ

ここまで来たのだから登るのだ

槍が励ましてくれている

槍ヶ岳山荘に着いたとき、私は心底安堵した

よくやった私

よくやった私

槍ヶ岳山荘から槍ヶ岳の先は

もうアトラクションのようなものでした!

わたしは階段や鎖はぜんぜんへっちゃらなので

「こわーい」とか言ってる人達を冷ややかに見ながら

さくっと登ったりましたぜ

山頂はとても狭くて

10人くらいしか座れないのだけれど

3000Mから見下ろす景色は最高で

どれだけ写真に撮っても残せない

登った人しかわからない感動があって・・・

吐き気も疲労も吹き飛んで・・・

子どもたちにラインしたら

「まますごーい」だってさ笑

朝4時の真っ暗な道も

吐き気とのせめぎあいも

足の皮がむける約40キロも

いまとなってはよい思い出です☆

下山しながら私は

次はどこに行こうかと思いを巡らせたのでした

登山を始めたのは20代

そのころ「百名山を目指している」という後輩が

おもしろがって広島県内の主な山に連れて行ってくれた

どこも楽勝だったし、楽しい思い出しかなかった

時は巡り

私は結婚して母となり・・・

コロナ禍で子どもたちと石鎚山に登ったら

また登山でもするかーってことになって

目標があったほうがいいから「百名山」にしただけ

いま32座クリアして

残り68座だけれど

たぶん100座は無理だろうな・・・

でも、そんな思いを吹き飛ばす女性を取材することができました!!

8月に百名山クリアした、同じ年の女性が

東広島市にいたのですよ(^^♪

近々、記事にしたいと思います

彼女は山に愛されたんだなと思います

私も、山に愛されるでしょうか?