梅も桜も好きだけれどせつない

入院中の父が一時退院を許されたのが4月頭だったか・・・

弁当を買って近くの桜の名所へ立ち寄った

母も私もこれが最後の桜だと知っていた

きっと父も・・・

風が吹き、弁当の中に白い花が舞い散る

花の命は短い、父の残された日々も・・・

これ以上散らないで・・・

 

父が眠る墓所には梅がある

私が子どもの頃から梅を実らせていた

ゴツゴツの木の幹は、朴訥でお世辞ひとつ言えず、不器用に生きた父を思わせる

春に咲く白い花は「人間いつかは花が咲く」と教えているよう

 

梅も桜も、季節が巡り、必ず同じ時期に花を咲かせ

必ず私に父を思い出させる

父が亡くなってもうすぐ20年になる